AIで変わる居住者対応と規約検索。フロント業務の未来と業界のプレゼンス向上
この記事を書いた人:坂本 陵介
マンション管理士 / 管理業務主任者
問い合わせ対応における「見えないコスト」の削減
前回のコラムでお伝えした通り、居住者からの「駐車場を借りたい」「ペットを飼いたい」といった問い合わせに対し、数百ページに及ぶ管理規約や過去の総会決議から正解を見つけ出す作業は、フロント担当者の膨大な時間を奪っています。
この課題を根本から解決するために開発されたのが、マンション管理AIアシスタント「シメスくん」です。
PDFをアップロードするだけ。AIが10秒で回答と根拠を提示
「シメスくん」の画期的な点は、既存の管理規約、総会議事録、各種資料のPDFをシステムにアップロードするだけで、AIが勝手に内容を分類し、保存してくれることです。
さらに、担当者が担当しているマンションの情報だけを見れるようにする「権限管理機能」も備わっています。
実際の業務フローはこう変わります。居住者から「駐車場を借りたい」と問い合わせが来たとします。
これまでは現場に紙の規約を見に行って1時間かかっていたり、社内サーバーから該当ファイルを探し出して目視で確認して10分以上かかっていた作業が、AIに質問するだけで以下のように劇的に変わります。
- AIの即時回答:「このマンションは来月に駐車場の年次シャッフルがあるため、その点に注意して案内してください」
- 根拠の提示:AIの回答と同時に、根拠となる管理規約や総会議事録のPDF(該当箇所)が画面上に併記されます。
これにより、担当者はAIの要約と実際のPDFを両方同時に確認することができ、これまで10分〜1時間かかっていた対応時間を、わずか「10秒〜20秒」に短縮することができるのです。
マンション管理業界の「プレゼンス」を圧倒的に高めるために
なぜ、私たちがここまで「規約確認の時短」にこだわるのか。
それは、マンションのフロント担当者が本来やるべき仕事は、目の前の規約確認に時間を奪われることではないと強く確信しているからです。
フロント担当者の真の価値は、「長期的な視野に立ち、このマンションの資産価値をどう維持・向上させていくか」という戦略案を立て、管理組合(理事会)にお伝えし、伴走することです。
戦略的で付加価値の高い業務に集中すべき人間が、調べ物というアナログな作業にずっと時間をかけ続けているのは、時代に合っていません。このままでは、分譲マンション管理という非常に重要で社会的な意義のある業界全体のポジションやプレゼンス(存在感)が下がっていってしまいます。
私たちは、AIの力でフロント担当者をアナログ業務から解放し、本来の価値ある仕事に集中できる環境を作りたい。「マンション管理 AI」であるシメスくんを通じて、分譲マンション管理業界のプレゼンスを圧倒的に高めていく。それが私たちの目標です。
この記事の著者
坂本 陵介(合同会社凡徹 代表)
マンション管理士 / 管理業務主任者 / マンション管理適正評価制度 評価者
大手分譲マンション管理会社にて、フロント担当者として40棟以上を担当。チームリーダーも経験し、現場の課題解決に尽力。その実務経験と最新のAI技術を掛け合わせたマンション管理AIアシスタント「シメスくん」を開発・提供しています。